犬の毎日の歯磨き中に見つけた、小さな異変から始まった今回の出来事。
検査結果が出たとき、告げられた診断名は 口腔内悪性黒色腫
当時16歳10ヶ月、さらに提示された数値は、これまでの想像を超えるものでした。
同じ状況に直面した飼い主さんの判断材料のひとつになれば幸いです。
当時の記録を元に記載しております。
過去の記録だからこそ、感情だけではなく事実を冷静に落とし込めているかと思います。
個体差はあると思いますが、私が一飼い主として体験したこれらの経験が、現在、同じ思いを持っておられる飼い主の方の参考の一つになれましたら幸いです。
皆様のわんちゃんに何か気になる点があれば、必ず専門家の診察を受けてくださいね。

病理検査の結果、診断名は【口腔内悪性黒色腫】
病理結果が出ました。
診断名は口腔内悪性黒色腫(メラノーマ)でした。
デキモノの歪さから、もしかしたらと想像していたとはいえ、あまりに悲しい。犬生3度目の悪性腫瘍です。
全て転移ではなく、原発。2年前の口唇悪性黒色腫とも別の腫瘍でした。

右上の写真は、がんセンターでの待合室で撮りました。
この笑顔を見るたびに、告げられた事実の深刻さと乖離していて、不思議な感覚がしたものでした。
この笑顔の左奥歯に腫瘍が増殖しているなんて・・・誰が想像するでしょう。よだれもにおいも、違和感が全くないのです。
歯磨き習慣がなければ、この時点では気づけませんでした。
核分裂指数が示した現実
腫瘍の悪性度を測る指標のひとつが核分裂指数。
今回の病理診断書によると、一般的な目安は「高倍率10視野で4個以上 → 生存率1年以下 約80%」とのこと
しかし今回の結果は、1視野で20個でした。
この数値を見た瞬間「進行が極めて速い腫瘍」であることを理解しました。
異例の速さで決まった二次診療機関受診
通常、専門医の予約は数週間〜数ヶ月待ちになることもありますが、今回は異なりました。
主治医の獣医が「かなり悪い可能性が高い」と判断し、最速対応を取ってくださったおかげでした。それだけ、進行が早かったということです。
がんセンター初診で提示された余命
私の犬が紹介された二次診療機関は、日本小動物医療センター附属日本小動物がんセンター
ここではまず半日かけ、麻酔を伴わない可能な検査を一通り実施しました。
その結果、告げられたのは無治療なら余命1か月という現実でした。
いちごステージ1なのに、余命1ヶ月って・・・
ステージはまだ1だった
検査時点では、リンパへの転移なし・肺転移なしで、いわゆる、ステージは1だったことです。
それでも余命が短いと告げたれた理由は、腫瘍の性質そのものにあったようです。
発見から1か月で歯茎外側まで侵食


4年前に経験した口唇悪性黒色腫とは明らかに様子が違いました。
今回の腫瘍は
・腫瘍は目に見えて大きくなる
・日単位で増殖する様子が目視でもわかる
・形が変化し、独特のニオイを放ってくる
という特徴がありました。
内側に隠れていた腫瘍は、発見から約1か月で歯茎の外側まで広がっていったのです。このスピードには恐怖を覚えました。
症状が出てからでは遅かった可能性も
この時点で犬本人には
・食欲低下なし
・出血やよだれなし
・痛がる様子なし
という状態でした。
つまり、犬自身の自覚症状は、飼い主の私から見てゼロな状態!
もしこれが、
気づいていたとしたら・・・そう考えると怖くなりました。
普段の歯磨き習慣がなければ、この段階では見つけられなかったと思います。
治療方針の決断、目標は「完治」ではない


この時の犬自身の年齢は16歳10ヶ月。
がんセンターの腫瘍科医・放射線科医と相談し、私たちが選んだ治療は、放射線治療。
目標は、生活の質を保ちながら1年生存を目指すでした。
放射線治療まで1ヶ月待ち
放射線治療は、計画を含めて開始まで約1か月待ち。
医師から言われたのは、それまでの間、「腫瘍が増殖して、犬自身が保たない可能性がある」でした。
提案された「電気化学療法と食道チューブ装着」
そこで提案されたのが電気化学療法
さらに同時に、食道チューブ設置を行うことになりました。
理由は「治療後しばらく口から食べにくくなるため」
食道チューブは、口から食べることと併用できます。
提案当初は「首に穴を開けて管を通すなんて・・・」と悩みましたが、結果的には、犬自身のQOLが保たれ、装着したことは大正解でした。
(別記事にて、食道チューブ生活をご紹介予定です)
担当医に評価された「経過記録」


私は発見直後から
を残していました。
担当医から「この記録は治療方針を決める上で非常に重要です」と言われ、大変参考になったと言っていただけました。
記録は、ただの思い出ではなく「医療データにもなる」と実感しました。
どんな小さなことでもいい、飼い主が感じる違和感を記録しておくことをおすすめします。
幸い、犬本人はいつも通りだった
ここまで急展開だったにもかかわらず、当の本人の犬はというと
診察待合室でも、楽しそうにリラックスしていました。
あまりにも普段通りで、現実とのギャップに不思議な感覚になりました。
悪性度は数値で現実を突きつけてくる
今回分かったことは3つです。
▶次回予告
「電気化学療法と食道チューブ装着の記録」治療当日の様子と、術後の変化をまとめていきます。
皆様のわんちゃんに何か気になる点があれば、必ず専門家の診察を受けてくださいね。
症状にも個体差はあるかと思いますので、あくまでケースの一つとしてお読みいただき、何か一つでも、同じ思いを抱える飼い主の方の参考になる部分があれば幸いです。





