2024年5月。私の2頭目のダックスは天寿を全うし静かに旅立ちました。17歳9ヶ月でした。
目の見えない2歳上の先住犬を助け、6歳下の保護犬のよき手本となり、
私を精神的に支えてくれました。
この犬は生涯に3回、悪性腫瘍を患いました。
満面の笑顔と驚く程の体力で闘った記録です。
当時の記録を元に記載しております。
過去の記録だからこそ、感情だけではなく事実を自分の中に冷静に落とし込んで、
現在、同じ思いを持っておられる飼い主の方の選択肢の一つとして参考になれば幸いです。
2019年8月。13歳1ヶ月。
歯磨きの先に見つけた、小さくて黒くて丸いコロンとした正体は口唇悪性黒色腫でした。
転移に備え投与した抗がん剤が合わず、白血球が大幅に低下。緊急入院をすることになります。

ペット用体温計
好中球7300にて抗がん剤(カルボプラチン)静脈点滴を開始。
(参考:犬の好中球正常値 3000〜11500 )
<想定される副作用>
・当日〜2日後 消化器毒性
・5日〜8日後 骨髄抑制
私は、犬たちの健康管理のために、普段から自宅で体温を測っている。
体温は直腸から測る。
先端が柔らかい動物用体温計を用い、使い捨ての専用カバーを使うのが便利だ。
滑りを良くするために先端に少量のアネトカインゼリーを塗る。
犬の平熱は一般的に37.5~39.0℃程度、この犬の平熱は低めで37.5℃。
個体差があるので、平熱を知っておくことは、いざという時に役にたつ。
今回も大いに役に立った。
もしも、手元に体温計がなかったら・・・考えただけで恐ろしい。

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投与後の経過 何かがおかしい
1日目:いつもの食欲がなく、疲れたのか寝てばかり。
2日目:食べない。
3日目:おやつも食べない。
4日目:普段はしつこいくらい人懐っこいのに、いつも行かない場所に一人で行き、うずくまっている。
ぼーっとしており、これはおかしい、と夜間救急へ。
当初は、週に1回の血液検査のために通院するように指示されていた。
しかし、この日から毎日通院し、点滴投与が必要と判断した。
体温は平熱。好中球は4000と下がっているが想定内とのことだった。
5日目〜10日目:ひとりになりたがる。食欲なし。人懐っこい犬がここまで変わるのか。
標準よりは大きいけれど小さな体で、抗がん剤と闘っているんだ、と自分に言い聞かす。
11日目:部屋の隅に行き、小刻みに震えるようになる
息が熱い気がして、体温を測ると39.3 ℃。おかしい。夜間救急へ。
病院で測ると40℃を超えていた。点滴投与後、落ち着き、一時帰宅。
12日目:自宅で再び発熱。39.6℃。
通院。血液検査をすると好中球は42と大幅に減少、獣医の顔が引き攣っていた。
緊急入院となる。
発熱性好中球減少症
グレード4の有害事象にて、抗がん剤は一回のみで、以降中止。
安全と言われる抗がん剤でも、合う個体とそうじゃない個体がいる。
私の犬は発熱性好中球減少症と診断された。
面会に行ったら、酸素室に入っていた。
感染症にかかっており、敗血症の一歩手前であった。
後から動物病院のスタッフに聞いた話ですが、獣医も当時はかなり焦っていたようです。
飼い主である私を不安にさせないために、冷静さを保っていてくれたとのこと。
一般的に安全といわれる抗がん剤であっても、飼い主も経過をきちんと見ることが必要です。
合わない個体は稀のようですが、うちには合いませんでした。
正しく恐れることが大切です。
入院時の様子は次回に続きます。お付き合いいただければ幸いです。
