涼しい季節になると数年前の苦い経験を思い出します。
雨の日のお出かけ中、愛犬がレインコートの袖についていた金具を噛み、中にあったバネを誤飲してしまいました。
体調も変わらず、一日楽しく過ごしていたのに、帰宅後の嘔吐で気づいたときには騒然。
今回は、そんな私の苦い経験をもとに、「何気ないお出かけ時の思わぬ危険」についてお伝えします。
同じようなことを防ぐための、飼い主としての気づきや注意点をまとめました。
楽しいお出かけの最中、レインコートの金具が外れていた
私の2頭目の犬は、車だけでなく、電車での移動にも慣れていたため、よく電車でも移動していました。
愛犬は当時3歳。
その日は雨予報だったため、クレートから出した時にすぐ歩けるようにと、あらかじめレインコートを着せてからクレートに入れてお出かけをしました。
毎週、愛犬と一緒に電車で通っていたペットアロマセラピスト講座。
目的地に着き、いつものようにクレートから犬を外に出したとき、レインコートの「袖が少し伸びている?」と違和感に気づいたものの「あれ、袖の金具はどこかで外れちゃったのかな?」と思った程度。
犬の様子はいつも通りで、特に異変も感じませんでした。
そのまま一日を共に楽しく過ごし、帰宅したのです。
吐いたものから出てきた正体は

夕飯後、突然の嘔吐。
目を疑ったのは、その中にあった粉々になったグレーのプラスチック。
見覚えのある形にゾッとしました。
「これ、レインコートの袖の金具だ」
しかし、肝心の中のバネが見当たらず、嫌な予感がして念の為、夜間救急へ。
病院で撮ったレントゲンには、食道付近にぐにゃぐにゃに曲がったバネが映っていました。

1週間の入院と、祈るような日々

これまで怪我も病気もしたこともなく、愛犬にとって初めての入院。
しかも、飼い主である私の不注意。
動物病院では、バリウムを飲ませて自然排泄を促す処置が行われました。
「1週間で出なければ開腹手術になります」
そう言われた瞬間、胸が締め付けられました。
幸いにも、最終日にギリギリ排泄され、手術は回避しました。
しかし、突然の入院の不安と、バリウムを飲まされ、苦しい思いもしただろうに。
さらに、入院費は7万円を超えました。
結果的に無事でありましたが、犬には大変申し訳ないことをしたと反省しています。
失明した先住犬が寄り添ってくれた夜
落ち込む私のそばで、一週間、目の見えない先住犬が寄り添ってくれました。
普段はマイペースな子で、私が構いすぎるのを嫌がったりするのですが、この時ばかりは私の気持ちを感じ取っていたのでしょう。
後悔の念で、夜な夜な泣きじゃくる私に、ただただじっと寄り添ってくれました。
今回の経験から学んだ、日常の「想定外」への備え
それまで、いたずらも誤飲もしない犬でしたので、この出来事は、「うちの子はいたずらしない」という思い込みを見直すきっかけになりました。
「移動時間の退屈や、素材への興味、普段と違う環境」など、ほんの一瞬の油断が事故に繋がります。
チェックポイント
結果的には大事には至りませんでしたが、どれも当たり前のようでいて命を守るための第一歩ということを痛いほど思い知らされました。
同じ経験を誰にもしてほしくない
生きた心地がしなかった数日間。
何より、自分の不注意で愛犬に痛くて不安な思いをさせてしまったことは、今も忘れられません。
だからこそ、この記事を通して一人でも多くの飼い主さんに気づいてほしい。
同じ経験を誰にもしてほしくない。
普段は大丈夫でも、いつもと違う環境では、何があるかわからないことを。
「ほんの少しの確認で防げる危険がある」ということを。
トレーニングよりマネジメント
大切な命を守るのは、飼い主さんの毎日の小さな注意の積み重ねです。
自分への戒めと共に、この記事が皆様のお役に立てましたら幸いです。

