遺伝性の目の病気である、進行性網膜萎縮症で失明した愛犬(ダックスフンド)と過ごした日々を振り返りながら記しています。
病気自体は残念なことですが、飼い主として出来ることを模索しました。2014年5月。気高く静かに旅立った愛犬への感謝の想いも込めて。
賢くて聡明な犬でした。この犬が私の最初の犬でよかったとさえ思っています。最初の犬が普通に見えていたら、「見えない犬」と、どう接したら良いか正直わからなかった・・・
このカテゴリーでは当時の写真と記録をもとに記載しています。
そんな当時の私と同じ想いをされている飼い主の方へ。年月が過ぎていてもお役に立てる内容をお届けしたい、と共に過ぎているからこそ、当時のことを振り返り、冷静で客観的にお届けできるのでは、と思っております。
皆様の参考になりましたら幸いです。
壁に向かって勢いよくぶつかった
元々、動物が苦手だった私が、縁あって迎えた子犬を育てることは想像以上に大変でした。
愛くるしい笑顔に大きな目、その目は緑色に光っていました。
家族に迎えて1年くらい過ぎた頃だったか、少し前からボール遊びをしなくなったこと、お散歩でつまずく様になったことが気になるようになりました。
ただ、変わらず活発だったので、まさか目の疾患があるとは夢にも思いませんでした。
しかし、あるとき、家の中で、壁に向かって勢いよくぶつかりました。
動物医療センターの眼科を受診する

近くの動物病院を受診すると、すぐに日本獣医生命科学大学病院付属の動物医療センターの眼科を紹介されました。
胸騒ぎを覚えつつ、二次診療期間の紹介状を持っていき動物医療センターに行き、半日後に迎えに行くと、思いもよらない病名を伝えられました。
遺伝性の眼の疾患。網膜の視細胞が徐々に機能を失い、最終的に失明に至る病気。
私の犬は 進行性網膜萎縮症(PRA) と診断されました。
進行性網膜萎縮(しんこうせいもうまくいしゅく)は、PRA(Progressive Retinal Atrophy)とも呼ばれ、網膜が徐々に薄くなり、最終的に失明する遺伝性の眼疾患と言われています。
犬の目が緑に光る原因は、網膜と脈絡膜の間に存在する緑色の反射層であるタペタムに光が当たっているため。
タペタムは、網膜の視細胞を通り抜けた光を反射して視細胞に戻すことで、弱い光でも感じ取れるようにしているとのこと。
わたしが可愛いと思っていた緑色の大きな目は、瞳孔が散大してタペタムが見えている状態だったことを、そのとき知りました。
そうか、そうだったのか、弱い光を感じ取りながら暮らしていたのか・・・
診察時には既に失明しており、光さえ失っていました。
平均寿命が15歳といわれるミニチュアダックス。そのとき、私の犬はまだ2歳でした。
「進行性網膜萎縮症」と診断されて
この先どうしよう、帰りの車の中で、目が曇って運転できなくなるほど泣きました。
助手席でニコニコと微笑む「この犬の目はもう一生見えないの?この子は私の顔をもう二度と見ることはできないの?」
突きつけられた現実に、とにかく悲しくて辛くて、どうやって運転して帰ったのか覚えていません。
飼い主として、できることを探す
ただ、救いだったのが、犬自身に痛みがないこと、治療も投薬も必要がないこと。
そして、既に去勢を済ませていたこと。
治療も投薬も必要ない・・・それはすなわち、この病気が治る病気でないことを意味するのですが、この先どうやってこの犬を育てていくか、飼い主の私に何かできることはあるのか。
泣いていてもしかたない、なんとかしなくちゃ、私が、この犬の目の代わりになる。何が出来るか、それらを模索する日々が始まりました。
目が見えない犬の飼い主としての想いや、私なりに取り組んだことを当時を振り返りながら記しています。
生活上の工夫などはお伝えできるかと思いますが、全て私の犬の場合であり個体差はあるかと思います。
愛犬の目に関して気になることがある場合は、かかりつけの獣医さんに相談してくださいね。
この後もお付き合いいただければ幸いです。


