「最近また、犬のあくびが少し傾いて見える気がする。」
そんな小さな違和感から、現在13歳6ヶ月のダックスを連れて、歯科で定評のある駒沢公園動物病院を受診しました。
普段の歯磨きはおうちケアで毎日2回。
「歯みがきシート・ペット用デンタルジェル・歯ブラシ」で毎日ケアしていて、見た目にはツルツルピカピカ。
実際に獣医師からも褒められるほど、口腔内はきれいな状態でした。
それでも今回、レントゲンでわかったのは、左上奥歯10番(人でいう親知らず)の小さな歯が前の歯を押し、炎症を起こしていたこと。
結果として、外来で局所麻酔による抜歯を受けることになりました。
この記事では、
を、実体験としてまとめます。
同じように、
「歯はきれいなのに何か変」
「犬のあくびの開き方が気になる」
と感じている飼い主さんの参考になれば嬉しいです。

犬のあくびが傾く原因は?受診のきっかけ

今回、受診のきっかけになったのは、犬のあくびの左右差でした。
食欲は旺盛。口元を気にする様子もなく、痛がる様子もない。出血もありませんでした。
ただ、あくびの開き方にどこか違和感がある。
さらに、緊張すると、歯がきれいなのに少し口臭を感じることがありました。
見た目には大きな異常がないからこそ迷いましたが、主治医に相談したところ、
「歯なら、ここがお勧めですよ!」と紹介されたのが、駒沢公園動物病院でした。
5年前にも、口の違和感で組織検査を受けたことがある
実は、犬のあくびの違和感は、今回が初めてではありません。
5年前にも
・あくびの違和感
・左口角潰瘍部の炎症
を自宅で見つけ、かかりつけ医で組織を採取し、病理検査を受けたことがあります。
そのときの結果は、口腔粘膜潰瘍部に形成された炎症性肉芽組織(腫瘍なし)でした。
その時の処置で犬のあくびの左右差は気にならなくなったのですが、また最近、違和感が・・・
その経験があったからこそ、今回も「小さな違和感を見逃したくない」と思えたのかもしれません。
無麻酔レントゲンでわかった原因

駒沢公園動物病院では、無麻酔でレントゲン撮影を行ってくださいました。
そこでわかったのは、見た目だけではわからない口の中の構造でした。
受け口で噛み合わせが悪かった
レントゲンで、受け口であることがわかりました。前歯の重なりは認識していましたが、受け口であったとは!
そのため、もともと噛み合わせがあまり良くない状態だったようでした。
口も下顎も小さい
さらに、
・口が元々小さく、口の開口制限がある
・下顎が発育不全で、下顎が小さいため、歯列に十分なスペースがない
という特徴もありました。
日頃の歯磨きで歯の表面はきれいに保てていても、構造的な問題まではわかりません。
原因は左上奥歯10番の小さな歯だった
一番大きな原因は、左上の奥歯10番。
人間でいう「親知らず」にあたる小さな歯が、前の歯に隣接して影響を与えており、炎症を起こしていました。
歯磨きは習慣にしていましたが、それでも奥歯は磨きづらかったのも事実です。
そのため、口が開けづらくなり、あくびの左右差として出ていたようでした。
局所麻酔で当日に抜歯することに

診察の結果その他は支障なく、親知らずは、比較的簡単な局所麻酔での抜歯で対応できるとのことで、その日のうちに処置していただくことになりました。
全身麻酔ではなく、局所麻酔。外来での対応です。
抜歯前に、レントゲンを一緒に診察室で見ながら説明していただきましたが、他に大きな問題はほとんどなく、炎症の原因となっている歯を抜くことで改善が期待できるとのことでした。
これも歯磨きを習慣にしていたことから、歯石除去が不要とのことで、犬にとっても負担が小さく何よりでした。

処置後には、DENTAL ALVEOLUS CHARTという結果表をいただき、また、診察室での獣医との会話はAI要約された用紙でいただきました。
このあたりの記録が手元に残るのは、あとから見返す上でも、とてもありがたかったです。
歯石除去は特に不要と言われた理由
今回の処置では、歯石除去は特に行いませんでした。
理由はシンプルで、歯自体がとてもきれいだったからです。
先生からも
と褒めていただきました。
見た目だけでなく、レントゲンでも他の歯に大きな支障はほとんどありませんでした。
つまり今回は、歯周病が進んで抜歯になったのではなく、噛み合わせと、親知らずが隣接する歯に影響を与えていたのが原因だったということでした。
歯磨き習慣が守ってくれたこと
犬の歯磨きはおうちケアとして、私が1日2回行っています。
犬を飼うときに、犬の歯周病の存在を知り、毎日の歯磨きが最も効果的な予防法と聞いていたので、この記事の犬を含め、計3頭、私は、犬たちの歯磨きを子犬の頃から、朝晩、根気よく続けてきました。
何より、ダックスフンドはマズルが長く、歯間に汚れが残りやすい犬種といわれておりましたし、また子犬の頃から口周りを触らせることの抵抗感を減らしておけば、診察の際にもストレスが少ないのでは、と思っていたからです。
犬の歯周病

犬の歯周病は非常に多く、3歳以上の犬の約8割が歯周病(またはその予備軍)であると言われています。
犬は人間よりも歯垢が歯石に変わるスピードが速く(人間は約25日、犬はわずか3~5日)、これが歯周病にかかりやすい一因のようです。
歯周病は単なる口の病気にとどまらず、放置し、進行すると深刻な問題を引き起こすと言われています。
・顎の骨折: 歯周病菌が顎の骨を溶かし、骨が折れてしまうことがあります。
・鼻への影響: 歯の根元の菌が鼻腔に回り、鼻水やクシャミが止まらなくなることがあります。
・全身疾患への関与: 血管を通じて細菌が全身に回り、心臓や腎臓、肝臓などの臓器に悪影響を及ぼすリスクが指摘されています。
おうち歯磨きで使用している3つのアイテム
私が普段、使用しているのは、
・歯みがきシート
・ペット用デンタルジェル
・(人間用の)歯ブラシ
*私の犬たちは歯磨き自体に慣れているので、飼い主の判断で、人間用の歯ブラシをこまめに交換して使用しておりますが、ペット用の歯ブラシは専門に設計されている分、抵抗感も少なく、歯磨き習慣に取り入れやすいかと思います。
です。
\ 触ることに慣れさせる /
\ 好きな味があるかな /
\ 歯ブラシにチャレンジ /
今、一緒に暮らしているこの犬は、協力的な性格ではあるものの、先住犬とは異なり、歯磨きのときに舌をべろべろとよく動かす犬なので、口腔内の奥は少し見えにくいタイプでもあります。
それでも、日頃からケアしてきたことで、
・歯石がほとんど付いていなかった
・口腔内が清潔に保たれていた
・問題の歯以外に大きな異常がなかった
という結果につながったのだと思います。
今回、歯の専門医から専門的な話までしっかり教えていただけたのも、普段から歯磨きを頑張っている飼い主として見てもらえたからだと嬉しく感じました。
歯磨きが苦手なワンちゃんは、まず口周りを触らせることや、シートで歯を拭くことからなど、少しずつ慣らしていっていただけたら、と思います。
病院で褒められる「触らせてくれる犬」に育ててよかった
愛犬は、動物病院でよく褒められます。
・身体のどこを触っても大丈夫で、嫌がらない
・動物病院で吠える声を聞いたことがない
これは、犬自身の性格もありますが、生後11ヶ月でうちに引き取った時から、先住犬同様に「どこを触られても大丈夫なように」と意識して、なるべく触って、それを褒めて育ててきたことが大きいと感じています。
歯科診療のように、口の中を見たり触ったりする処置では、こうした日頃の慣れが本当に大切だと改めて感じました。
処置後は口臭を感じなくなった
今回の抜歯後、気になっていた緊張時の口臭がしなくなりました。
目に見える歯はきれいでも、見えにくい奥で炎症が起きていた。そのことを、においが教えてくれていたのかもしれません。
抜歯後に処方されたのは、抗生物質6日分(1日2回)。
局所麻酔での抜歯という比較的シンプルな処置でも、きちんと炎症を抑えるケアが必要とのことでした。
治療自体は一日で終了。再診も特に必要ないとのことでした。
あくびの傾きはすぐには解消しませんが、少なくとも悪化していないので、引き続き経過を見守ります。
わんこ緊張してもお口が臭わなくなったよ!



歯が綺麗なのに、どうしてかな・・・と思ってたよ!
費用はアニコム保険を利用、いくらかかったの・・・?


アニコム健康保険を利用しました。
犬の抜歯や歯科処置にかかる費用は、病院や、また犬それぞれの状態に応じての処置内容によりかなり違うと思いますが、参考になる部分はあるかと思いますので、費用を公開します。
専門医を受診して学んだこと
今回、強く感じたのは、
・普段からの、おうちケア
・必要なタイミングでの専門医受診
どちらも大切であると改めて学んだことです。
歯磨きをしていればすべて防げるわけではありません。
でも、歯磨きをしていたからこそ、今回の処置はスムーズに進みました。
さらに、かかりつけの獣医さんが歯科を専門に扱っているクリニックを教えてくれたこと。
そして、専門医が診察内容をAI要約という形で飼い主があとから見返せるようにしてくれたこと。
何より、「専門医に診てもらおう!」とすぐ行動に移した、自分の飼い主としてのフットワークの軽さも大切であると感じました。
犬のあくびが傾く原因「考えられる4つの理由」
・噛み合わせの問題
・奥歯(親知らず)の炎症
・顎の構造
・痛みや違和感
まとめ:歯磨きは「異変に気づける習慣」でもある


今回の経験から、私がいちばんお伝えしたいのは、
「歯磨きは、歯をきれいにするだけではなく、異変に気づける習慣でもある」ということです。
見た目にはピカピカでも、
・あくびが傾く
・口臭が気になる
・口が開けづらそう
そんな小さなサインの奥に、炎症や噛み合わせの問題が隠れていることもあります。
この記録が、皆様のわんちゃんのお口の中を守るきっかけになりますように。
参考 おうち歯磨きで見つけた2つのメラノーマ
メラノーマの早期発見は、毎日の歯磨きが単なる「お口の中のお掃除」ではなく、「命を守る検診」になっていた成果でもあるかな、と思っています。
私たち飼い主が、日々「小さな違和感」に気づける距離感で接することが、大切なワンちゃんたちを守り、最期まで健やかな時間を過ごせる方法の一つだと感じています。
下記の「✅あわせて読みたい」は、私の2頭目の犬の悪性メラノーマの記録です。
特に、口腔内メラノーマは進行が非常に速く、見た目の変化に気づいた時には手遅れというケースも少なくないと聞きますが、実際、2頭目の犬の奥歯の内側に黒い物体があるのを発見した時は、次第に急速に大きくなっていく様子を目の当たりにし、怖くなりました。
この犬は、良性悪性含め、腫瘤(腫瘍)ができやすい体質だったかと思いますが、歯磨き習慣のおかげで、2回の悪性メラノーマ(13歳・口唇悪性黒色腫、16歳10ヶ月・口腔内悪性黒色腫)を早期に発見できました。
歯間ブラシまで日常的にさせてくれる犬は、非常に珍しいかと思いますので、歯ブラシが使えるところまで十分かと思います。
実際、この記事の3頭目のダックスには、歯間ブラシは行っておりません。
*安全に配慮し、飼い主の責任のもとで行っております。
この記事が皆様の参考になりましたら、幸いです。






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