【愛犬の悪性黒色腫】唇にできた黒いモノの正体は

2024年5月。私の2頭目のダックスは天寿を全うし静かに旅立ちました。17歳9ヶ月でした。
目の見えない2歳上の先住犬を助け、6歳下の保護犬のよき手本となり、私を精神的に支えてくれました。

この犬は生涯に3回、悪性腫瘍を患いました。
こちらは満面の笑顔と驚く程の体力で闘った記録です。


当時の記録を元に記載しております。
過去の記録だからこそ、感情だけではなく事実を自分の中に冷静に落とし込んで、
現在、同じ思いを持っておられる飼い主の方の選択肢の一つとして参考になれば幸いです。



2019年8月。13歳1ヶ月。
最初の悪性腫瘍は、左側の唇に現れました。

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小さくて黒くて丸いコロンとした正体

私は、一日2回犬たちの歯磨きを日課にしている。

飼い主がどこでも触れるように育てることで、
何かあったとき(診察など)スムーズに行くようにというのが大きいが、
多頭飼いを始めたとき、
おうちケアで出来ることが増えれば節約につながると思ったのも大きい。


さて、その日の夜も、いつもの様にゴロンと膝の間に横にならせて食後の歯磨きをしていた。
その時に、左の唇にコロンとした、小さくて黒くて丸い膨らみに気づく。

こんなところになんだろう。嫌な予感がした。

細胞診後、切除し病理組織診断へ

翌日、ホームドクターの診察を受け、すぐに細胞診を受けた。
犬は口周りを触られることにも慣れていたので、鎮静もせず組織が採取できた。

その時は、悪性を示唆するモノは見つからなかった。

しかし、唇や口腔内のデキモノは、一般的に良くないものが多いと聞く。
おそらく大丈夫だろうけど、と主治医も言っていたが、念の為、切除を希望し、病理に出してもらった。

一週間後、まさかの診断が降りる。
唇に見つけた、小さくて黒くて丸いコロンとした正体。

病理組織診断書には、口唇悪性黒色腫と記載されていた。

歯茎ではなく、口唇である

細胞診では良性だったのに・・・そんな、まさか。
先住犬を血管肉腫で亡くしていたので、ついにこの時が来たか、と目の前が真っ暗になった。
この時、13歳1ヶ月だった。

大泣きしている私に獣医は告げた。
歯茎ではなく、口唇である」

恐る恐る顔を上げた私に、病理診断書にペンを走らせて、淡々と説明し始める。

・メラニン顆粒を豊富に含む
・核分裂像は高倍率10視野あたり1個
・異形成は軽度

そのコロンとした黒いモノは良く見ればわかるが、見落とすことも多いとのこと。
「良く見つけたね」と獣医に言われた。

歯磨きを日課にしておいてよかった。

2019年8月。13歳1ヶ月。
口唇悪性黒色腫 ステージ1だった。

数年後、この犬は、転移ではなく新たに口腔内悪性黒色種を患う。
その時の病理に比べたら、このときは確かに遥かに軽度であった、と後で思う。

「歯茎でなく、口唇である」と告げた意味は、数年後に腹落ちする。

食いしん坊で、体力のある犬だった

この犬は腫瘤、いわゆる良性の脂肪腫もかなりできやすい体質だったと思う。
細胞診で「脂肪腫」と診断されたモノはこれまでにもあったがそのままでいいとのことだった。


しかし、相次いで脇と腕にできた脂肪腫は次第に大きくなり、日常生活に支障が出たため切除した。

最初の大きな脂肪腫を切除したのは11歳9ヶ月。2回目は12歳8ヶ月。

一般的に小型犬でも年齢的には、高齢犬のカテゴリーに入る。
全身麻酔には慎重になる年齢である。

おおらかな性格で食いしん坊。ミニチュアダックスにしては骨格が大きく、体重も8キロ台であった。
毛艶もよく、冒頭の写真は15歳の誕生日に撮ったモノである。
体力があり、麻酔からの回復も早い。


誰がどこを触っても大丈夫なように育てたため、入院時のストレスも少なかったようだ。
2回とも術後の回復は早かった。

抗がん剤治療を受けて

今回の異形成は軽度とはいえ、悪性腫瘍である。転移の可能性はあった。
獣医と相談し、体力のある犬ゆえ積極的な治療を選択する。
転移に備え、抗がん剤治療(カルボプラチン)を受けることを了承した。

・3週間に1回、通常4回
・朝絶食で預けて、夕方お迎えの半日入院
・白血球の経過を見るため、毎週、血液検査に通院
・費用は1回につき、約30,000円

投与前の血液検査で好中球は7300。標準範囲内。
カルボプラチンの副作用は、個体差はあるが一般的には少ないとのことで安心していた。


一般的に安全といわれる抗がん剤でしたが、結果、うちの犬には合いませんでした。
白血球が想定ラインより大幅に下がり、いっとき危険な状態に陥り、緊急入院をすることになります。
その時、飼い主である私はどうしたか。

次回に続きます。お付き合いいただければ幸いです。

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